事例紹介

ジャパンヘルスケア

Company profile企業概要

製品・サービス概要

ジャパンヘルスケア

放置すると膝や腰の痛みを引き起こすこともある足の歪みを矯正するインソールを提供。
顧客からの足データの提供を受けて、個々人に最適化されたインソールを独自アルゴリズムによって自動で設計。
同時並行で事業展開を進める、AIで歩き方を診断する「ミラーウォーク」と組み合わせて、歩き方から潜在顧客を検出するなど、「足を支え続ける企業」を目指している。

ビジネスモデル

ビジネスモデル

ハードウェアの役割/機能

ハードウェアの役割/機能

個人の足骨格などのデータから、足の歪みを正すために最適設計・出力される「硬い」インソール。特にシェル部分は3Dプリンターにより完全カスタムメイド

case1“個別”のカスタムメイド製品の“量産”化の検討

ものづくり:量産化設計・試作

カスタムインソールは、カバー、クッション、シェルの三層構造になっている。特に足の歪みを正すうえで鍵となる硬いシェルの形状は、顧客・ユーザーの足骨格に合わせた完全カスタムメイドとなっており、カバーとクッションもシェルの形状に合わせてサイズ調整し、インソール全体として最適化している。一方で、受託開発・製造ではなく、量産製品による市場展開ビジネスをしているため、ゼロから製造プロセス・方法を検討する必要があった。
特に特徴的な硬いシェルは、完全カスタムメイドとなるため3Dプリンターを使用することになる。しかし、短いリードタイムである程度の量の製品を仕上げるためには、複数台の3Dプリンターが必要となるため、少なくとも現段階でそのような多額の設備投資を行うことは難しかった。そこで、DMM.make の 3Dプリントサービスで、シェルの図面をオンライン入稿して出力することで、当初の想定よりもコストダウンできることが検証できた。

また、連携しているスタートアップファクトリーの浜野製作所を始めとする製造事業者には、「良い製品を生み出すために」という想いでとことん相談に乗ってもらった。例えば、当初は三層構造の貼り合わせは市販品の接着剤を使用することを想定していたが、浜野製作所から紹介された靴の製造事業者から「市販品だと剥がれやすい」と助言していただき、靴専用ボンドを紹介してもらい、想定していたやり方ではうまくいかないことを教えてもらった。インソールのエッジ部分の仕上げについても、カット工法の種類や貼り合わせの際の熱のかけ方など、コストも勘案して、最適なプロセスをゼロから一緒に検討してもらった。さらに、浜野製作所は、人体への毒性試験の実施を勧めるだけでなく、試験の条件設定や評価まで伴走してもらっており、当社が想定すらしていない工程を教えてもらった。

工業試験も試験研究のプロだけでなく、製造のプロ、靴のプロの知見や助言なしには実施できなかった。硬いインソールという製品自体が日本にはなく、当然ながら製品の安全性や耐久性の工業試験方法に関する規格・標準も存在しない。そこで、東京都立産業技術研究センターと製造事業者に相談をし、実際の歩き方、足裏への圧力のかかり方を模擬した独自の試験方法を考案し、無事に実施することができた。

図. 旧プロトタイプ 図. 最終バージョン
スタートアップが得た学び
実現したいモノをものづくりのプロの助けを借りて製品として実現

実現したいモノはあっても、実現するための適切な方法は、関連するプロの知見や経験が不可欠。量産性やコストばかりでなく、品質・耐久性、安全性といった「製品」として必要となる要件を適宜助言してもらうことができた。

製品化経験のない素人では想定し得ない検討事項が少なくなく、長年のものづくりの経験や勘所不可欠。助言や気づきを与えてくれるばかりでなく、良い製品を生み出すという使命感や責任感から、期待以上のソリューションまで提示してくれる。

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case2ユーザーフィードバックを専門的知見から分析し市場性を見極め

ビジネス

足のトラブルケアは米国では一大市場になっているが、日本では専門医が少なく、当社がターゲットとするインソールによる脚矯正・ケア市場は、日本では未開拓市場である。そこで、テストユーザーとの対話・コミュニケーションを重視し、ユーザーからのフィードバックを大量に収集、分析することで、市場性の検証を進めている。
テストユーザーの発掘には、クラウドファンディングも活用している。クラウドファンディングは、当社の熱烈なファンを獲得するマーケティングとしての位置づけもあるが、そういったファン層からのフィードバックは非常に質が高いため、プロダクト改善の参考になる意見が多いと考えている。

また、深い課題を抱えている潜在顧客へのテストも開始しており、靴へのこだわりが強いランニングを趣味とする層に、本プロダクトをテストしてもらっている。そのなかでも、特に外反母趾や偏平足気味のファッションに敏感な女性からは、かなりの高評価と、具体的な改善提案が得られている。強いニーズを抱えている潜在顧客が徐々にターゲティングでき始めている。今後は健康経営意識の高い企業との実証も予定しており、ユーザー個々の身体データに加えて、仕事のパフォーマンス向上も検証できれば良いと考えている。

このように多種多様なユーザーから大量のフィードバックを収集しているが、その分析をして設計・開発の改善に生かすことができているのは、当社メンバーが「足の専門医」としての専門的知見があるからである。フィードバックされた意見のなかには、プロダクトの課題に起因するものもあるが、ユーザー自身の抱える足の課題に起因するものも少なくない。足の専門医としての知見によって、大量のフィードバックからプロダクトに起因するものを判別し、ユーザーとの対話・コミュニケーションを通じた適切な方向性でのプロダクト改善を可能にしている。

スタートアップが得た学び
専門的な知見がないとできない課題分析やプロダクト改善がある

未開拓市場におけるプロダクトの市場性においては、自社プロダクトを熱烈に支持するファン層の獲得が欠かせないが、そのファンの意見からプロダクトの課題点や改善点を導き出すには、専門的知見に基づく判別や判断が有効となる。

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