事例紹介

トリプル・ダブリュー・ジャパン

Company profile企業概要

製品・サービス概要

Genics

排せつ予測デバイス「DFree」は、超音波センサーによって膀胱の大きさを検知することで、尿のたまり具合をリアルタイムで把握し、排尿のタイミングを通知する。
介護施設向けにレンタル、個人向けに販売を行っており、累計3,000台を出荷した(2019年3月末時点)。
ユーザーのニーズへの対応のために、低価格化や、歩行・移乗・寝返りなどの姿勢変更による誤判定の削減を目指して、さらなる開発を進めている。

ビジネスモデル

ビジネスモデル

ハードウェアの役割/機能

ハードウェアの役割/機能

超音波センサー部が、膀胱のふくらみを感知。本体部が、スマートフォンやPCに無線で情報を伝達する

case1初めての量産は最低ロット3,000台、調整も難航

ものづくり:量産化設計・試作

Triple Wは、膀胱のふくらみを超音波で計測し、排せつのタイミングを通知する、排せつ予測デバイスを開発している。社内で設計、試作を行った後、1回目の量産に踏み出した。
量産先となる製造事業者には、民生品での量産実績と低価格見積りの2点から、A社を選定した。A社は、信頼性が高く実績も豊富な大企業であり、量産はスムーズに進行するかと思ったが、そうはいかなかった。
まず、量産化にあたって誤算だったことは、過去に接点があった部署がアサインされなかったことである。大企業には複数の部署があるため、依頼のタイミングや内容、スタートアップに対する評価によって、希望した部署に対応してもらえるとは限らないようであった。

また、発注予定数をA社と協議のうえ3,000台と設定したが、その後、販売見込みの修正が発生し、小ロット生産に変更せざるを得なくなった。しかし、こうした要望には柔軟に対応してもらえなかった。さらに、実証実験後に明らかになったニーズに合わせた仕様変更が思うように進められないなど、Triple Wにとっては、当初想定していなかった対応が続いた。

Consumer Electronics Show(CES)出展PRを通じた協業候補先の獲得
スタートアップが得た学び
大企業との連携は、大ロット・高品質の製造でこそ活きる

ハードウェアの量産において、スタートアップが、豊富なノウハウやリソースを持つ大企業に期待するところは大きい。しかし、実際に大企業に量産を発注するか否かは、慎重に判断すべきである。スタートアップが求める小ロットでの製造や柔軟な対応は、多くの大企業が不得手としており、想定外のトラブルが起こりやすい。

大企業との連携を検討する際には、①ある程度大ロットでの量産の目途が立っているか、②大企業の持つ生産実績や信頼性の高さが、製品の量産に必要かどうか、③希望する部署と連携できる確約があるか、といった点を参考に、先方とWin-Winの関係を築けるかを見極めてほしい。

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case2綿密なリサーチによる連携先企業の選定

ものづくり:量産以降

A社で二度の量産を経験した後、BtoC向けに製品改良を行うことになった。高齢者などのユーザー本人が使用できるように、デザインと設計のシンプル化やデータの取得精度の向上を目指して、ハードウェアの改良を行うことにした。
そのため、小ロットでの生産や量産試作時に製造側からの提案をしてもらえるような量産先を選定することになった。
まず、社内の知見やインターネット検索で、ニーズに合う形での製品製造ができそうな企業を十数社選定した。その後、スタッフが工場まで足を運び、どのような設備があるか、製造はできそうか、自社で作成した選定基準一覧表をもとに確認した(図参照)。

最終的には、3社まで絞り込みを行い、一覧表をもとに選定担当者と経営陣で協議して、連携先を決定した。決定の要因は、小ロットでの生産について承諾が得られていたこと、仕様変更などへの柔軟な対応が可能であること、自社からのアクセスが良かったことなどであった。

入念に選定をしたことで、製造の観点から設計についての助言を受けられるなど、二人三脚で量産を目指せる関係性を構築できている。

図. 連携先の選定基準一覧(例)
スタートアップが得た学び
工場に足を運び、総合的な視点から連携先を決定する

Triple Wは、二度の量産によって、ハードウェア開発と量産のノウハウを社内に蓄積できた。この経験を活かし、自社にとって重要な選定項目を定め、視察結果をもとに選定したことで、良好な連携に至っている。

製品化を急ぐあまり、リサーチが不十分な状態で連携先を決定すると、量産化の段階で二の足を踏むことになる。量産化の目途が付きそうなタイミングで、量産先に求める要素を整理し、現地視察をしたうえで、選定することが重要である。

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